マグスのゲーム&映画ブログ

基本ゲームや映画たまにプラモとかのレビューを書く雑なブログ。ゲームの考察などはツイートした物を後から再構築する形なので最新を見たいならTwitterを。

2Dと3Dの融合!『ANNO:Mutationem』感想

概要

2022/3/17発売の2Dアクションゲーム。
開発は中国のthinking starsでよくわからんがSF物を得意としているみたい、今回もサイバーパンクな作風。

BGMはVanguard sound、ドルフロシリーズやパニシングなんちゃらのような中国のスマホゲームでよく見かける名。ドルフロで音楽いいのは知っているので購入のきっかけの一つでもある。
アブサロム戦のBGMは最高。

ストーリー


砂漠に大穴が開いて数年
幼少期の記憶が無い孤児の主人公アンは探偵の仕事をしつつ謎の持病に苦しんでいたが知り合いのアレン博士と共に病気の研究をし、伝説の霊薬N540が必要だと結論づける。
その頃義理の弟がN540探しで失踪したとの情報が入り、弟の捜索をするとある結社の陰謀を知ることとなった。

ストーリー感想

何も説明無しでゲームがスタートしマップにある書物を読み設定を理解させる形なので序盤は世界観やストーリーがイマイチわかりづらい。

弟のためならどこまででも助けに行くアン、姉のためなら何をしてでも治療薬を探すライエン。最高


前半のサイバーパンク探偵物のように進み雰囲気やストーリー共にとても面白かったが、物語が進むごとに露見してくるSCPライクな「結社」関連が、「説得力も無く代わり映えしない地下室の大ダンジョン」「結社の基地も普通の現代的なオフィス」とサイバーパンクに合わせず作られていたので本来やりたかったのはSCP部分でサイバーパンクはただの釣り餌では?と少し思ってしまった。
コンセプトアートや初期の体験版ではオオトカゲ(SPC-628)が街に脱走して大暴れしているようなシーンがあったが、そのようにもう少し世界観を攻略して後半作られていたら絶賛できそうな部分だけに残念。

ちなみに、今回の目的はあくまでも「弟の捜索」と「病気の治療」で根本的な問題の解決はしていなかったので人によってはモヤっとするかも。(続編作る気満々って捉えられる?)

  • ストーリーの不十分さ

ストーリーシステムはフォールアウトや最近のアサシンクリードのようなムービー+書物やデータログを道中で拾う形式でそれにより前述したよう世界観の拡張に繋がり、全体的なストーリーの理解力を補助する仕組みとなっている。
そこまではいいのだが、中盤以降「結社」のログを読むことになるが中身が“■■■”みたいな塗り潰しばっかりなのが雰囲気はいいがかなり理解力が落ちる。
本来ストーリーを補助するべき小道具で割と重要なところもこればっかりなのは流石に酷い、データログは全てメニュー画面の「資料室」から見れさらに言えばアンが理解すれば後々塗り潰しが晴れるようなアフターフォローが欲しかった。後半こればっかでかなりウンザリしながらやっていたよ。

しかもストーリー上で必要な単語はクリア後じゃないと「情報室」で閲覧不可やそれに加えてデータログ5つくらいは主人公の行ける範囲外にあり閲覧不可能などそもそもプレイヤーに理解させる気が無い。


こいつ隠し事あるな…と主人公が感想を言ってもコイツら出番終わりです〜と言うことがそこそこあり、ストーリー後半も上記のことで理解が追いつかないにも関わらず急いでいた。
まぁこれら全てに関してはコンセプトアートを見る限りまだまだやりたいことが沢山あったがインディーズゲームの都合上かだいぶ方向変換したり減らされたんだろうなと仕方のない一面もあるから完全な否定はせん
(割と最近にSCPの名が使えなくなったとの報告がTwitterでされたのも関係あるのかな?)(SCP-628?よく見た目変更せず発売したな)

あと、クリア後に名ありキャラと会話しても何もないのは普通に残念。

キャラ

掘り下げ不足が目立つ、アンの普段の生活やアヤネとの出会いのようなあるべきものが探偵事務所の仕事も雇い主のレイモンドが序盤に1回しか出てこないせいで全貌が掴めない。

何が問題かと言うとセーブ可能なPCからアクセスできるメールがゲーム中1回しか更新されないこと、このメールの更新次第で各キャラのサブクエストを増やしたり日常を演出させればよかったのに、コレだとメールの要素が要らん、ゲーム開始して1番にやる行動がメールの確認のくせにコレだからかなり使い方が下手と思うわ。
他キャラのメール履歴見れるのは良いと思ったけどそれも更新なかったしね。

序盤〜中盤に起きる持病での幻覚で今後こんな感じにアンの過去わかるのかな〜思いきや2回で終わりとなんやねん。

先に話したレイモンドや秘密があると感想されたキャラに当てはまるが後々出てきそうなキャラの使い捨てが多いのも気になった。ラスト近くに出てきた中ボスのくノ一なんて、こいつヤベーなって雰囲気を出しながら30分後くらいにまた出てきたもん
そうでありながらモブキャラ1人は4回くらい出てくるのも疑問。

後半明かされるネタキャラ数人やホッツの兄貴の設定はしっかりして説得力が有ったのはかなりいいポイント突いてると思った。

翻訳

日本人が開発に関わっていると聞いて期待していたがそこそこ甘い、一部キャラの口調が不自然だったり会話や文章が残り1〜3文字しかないのにページ捲らせるのがかなりあった。
映画でもゲームでも翻訳家はそう言った文字数などの調整をし客が見やすくするのも仕事ってよく聞くけどね。

他作品の大好きなキャラが2人カメオ出演しているがかなり口調が気になる💢ガットパンチくらわせたろか🤛
(だけど“シェイクで人生に一振りを!”は嫌いじゃない)

マップ


街4つとダンジョン2つとクリア後行けないダンジョンが2つ、街は小さいがダンジョンが大きいので数以上にやりごたえある。
意味深な十字の渓谷?は特に意味無し。

第一ステージで体験版でも遊べたらしいノッティクスの追跡劇以上に平面ゲームでありながら奥行きで演出を起こす2.5Dを最大限楽しめたシーンが無いのが残念。

  • 2Dと3Dの融合

このゲーム最大の特徴が「街中や探索時は立体的に動け」「戦闘は平面で行う」とうもの。PV見るのが一番わかりやすい。

  • 街中


キャラクターはドット絵でレトロ的な表現をしつつ構造物等は3Dモデルで未来的な表現してたのが絶妙にマッチしてていいね、まぁこのヴィジュアルで購入決定したようなもんだもん。
アイドルなどをあちこちに貼りアキバっぽいサイバーパンクを出しつつ写真の門のように中国のエッセンス入れているのがオリジナリティがあるね。

サイバーパンクな街の他にも主人公の住むアメリカ映画によくあるビルの住宅街的な街並みや、実家は昔ながらの都市から離れたちっぽけな町などがある。

なんかPVよりもライティングしょぼいなって思っていたらPS4はPS5よりもかなり映像クオリティ落とされてるっぽい。
知らんくてプレイしてたのでかなりショック。

戦闘


爽快に雑魚敵を蹴散らしつつカウンターや破甲で考えて行動しないといけない。


剣、大剣、銃などを使用して戦う。銃弾は有限なの注意。
武器や弾薬は購入のほか道端で拾えるジャンクから作成可能。

  • 攻勢行動

一部敵にはHPのほかに装甲値があり剣は火力が高いが破甲が低く、大剣は破甲値が高いので武器で住み分けができている。
そのほかに一部敵には属性値があり対応する属性で攻撃するとダメージが跳ね上がる。まぁ後半から武器に装着できるチップで属性や破甲値高められるから双剣連打でゴリ押しできるけどね!

敵を倒すと入手するポイントで攻勢スキルをアンロック出来るが、ぶっちゃけ攻撃までの溜めが多く使えるものは少ない。
てかクリアしても7割程度しかアンロック出来ないし。

  • 防勢行動

ガードと回避があり、スキルを解除するとジャストガードでカウンターもできるようになる。

回避は連発できないので少し慣れが必要。

カウンターで敵の装甲値を大幅に減らすことが可能で破甲が低い序盤〜中盤はかなりカウンターゲーと化すので注意が必要。難易度変更はできないので自信ないなら少し動画見て判断するといいかも。

このガードがかなり厄介、発動がまでが体感硬く自分の中ではガードできたやろ!って思っていても失敗が多く、大型の敵相手には当たり判定の都合上背面にダメージが入りガードしきれないのが当たり前。
唯一の戦闘の不満点、スキルで背面ガードもあったら良かったのに

敵は攻撃前に赤く光るがダメージ入るまでに2秒ほどかかる攻撃もフツーにあるので余り当てにならん。まぁ、コレは自分の腕の問題だけど。

  • アイテム

回復アイテム、グレネード、バフアイテムの3種類
回復アイテムが結構面白い、リジェネ形式なので回復後HP満タンになってもから殴られてもある程度大丈夫。
これが強力なお陰で被ダメはデカイが割とタフに戦える。

グレネードは範囲ダメージ+怯ませ効果があり強力かつ、ステージでそこそこ拾えジャンクで作りやすいのイイね。
オートエイムなので雑に使えるのがイイ

自分は一切使わなかったがバフアイテムがどれも効果が強力なので詰まったり、難易度が高いな?と思えば複数使用しゴリ押すのも手

  • 難易度

ボス前等要所要所にアイテムショップが置いてあるので補給は楽、一部ステージ除いて回復ステーション兼ワープ装置もあるので街にもいつでも行けるし。

こう言う反射神経求められるアクションゲーが苦手な自分でもクリアできたのでまぁ大抵の人は行けるはず。

ミニゲーム

AIクソ有利激ムズピンポンと指激疲れバーテンダーの二つ
バーテンダーは700点でSランクね。

クリア時間

最大限の探索込みで20時間ほど?2日間一日中やって、3日目朝ちょっとやったら終わった。
かなり慎重に探索し前半世界観を存分に味わいながらやったので普通にプレイすると多分もっと短い。

トロフィーももう少しやったら終わるくらいだが、収集要素集めるのがヒント無しで全部回るのめんどいし、一つ条件達成したがバグで?トロフィー入手してないのあるのでトロコン目指さないかな。

インディーズのアクションやしこんなもんやろ

その為

ロード画面がその場その場にあった演出で雰囲気に合わせているのいいね。

収集品のポスターが映画などのオマージュなのがオマージュ元探すの楽しそう。

PV見ると着せ替え要素も売りの1つだが街以外は強制的にバトルスーツなので有ってないよなもん。(バグ?一部服はロードしたら別の服に強制変更される)

ニューゲーム+は無し、ボスラッシュとかとついでに実装して欲しいな

PS4初期型だと後半に行くにつれ処理落ちエラー落ち多発なのでアプデが来るまで買うのを待つのもあり。(アプデはほぼ確約されている)
垂直同期をオンにすると見るからにFPS下がるが、オフにすると画面上側に遅れが起きて酔いやすくなる。

追記:追加エンディング

アフターフォローが少ないエンディングにシチリア缶の家族、アヤネとの休日や申し訳程度の分岐のバットエンドが追加されてて良かったね。
ただクリアムービーをいつでも観れる部屋が追加されただけで、シチリア缶とか言ってもセリフが変わらないのは相変わらずで残念。

総評


爪があますぎるが独自の世界観を構築している普通〜良ゲー
素材はいいが素材名や手順を隠しながら調理を進め、SCPライクと言う別ジャンルの料理を未調整で一緒に食べている感じだった。

ヴィジュアルや戦闘が動画見て気に入ったら買っとけ、良質なストーリーを求めるなら辞めとけ

戦闘や世界設定はかなり面白いがいかんせんストーリーの説明不足が多く、後半せかし過ぎたりでもう少しなんとかならんかったんか感が多い。
なのでストーリーには過度な期待はせずに、サイバーパンクな前半とSCPライクな後半の雰囲気を楽しみつつ戦闘を楽しむゲームとしてプレイするのがおすすめ。

開発がやりたいこと最大までやれて、SCPの名が使えたらどんな作品になれたかが気になる。

根本的な解決はせず、次の主人公も実質いる感じなので続編発売しそうだがストーリーも求めいていた自分は続編出ても買うか微妙(主人公候補タイプじゃないし)