スペクターから6年、コロナの影響もありようやく公開された今作。
簡単な感想としては
話題性ありきで意気揚々と観るよりも往年のファンがまとめのお祭りとしてオマージュを楽しむためゆっくりと観る方が向いてると思う。
そういう意味でもスペクターの方が整っていてダニエル最終作として気持ちよく見れるのでは無いか？とすら思えてしまう。
ダニエル版の007の特徴としてセクシーさとユーモアに欠ける分シリアスさを何倍にも増やした現代チックな映画となっており、今作ではそれが今までよりも目立っていた。なので従来の007派の人は雰囲気的にはあまり楽しめないかも。(自分もその1人だがもう割り切っている)
しかし、過去作へのオマージュが盛り沢山なのでそう言った面では前述通りファン向けの作品となっている。
とりあえず最低限観た方がいい作品は
「カジノロワイヤル」
「スペクター」
「女王陛下の007」
のダニエル版の上記2作品は必ず見直した方が良くその他2作はどっちかと言うとスペクターの為に見たら？程度なので忙しい人はダニエル版全てよりも上記3作だけを見ればがいい、女王陛下はコレを見るか見ないかで作品の見方が変わるので是非とも見てもらいたいと言ったところ。
その他は観なくても全然問題無いがオマージュの回収のために過去作を沢山見るとより楽しめる。特にショーンコネリー版はオープニングからオマージュが目立ったので観た方がいいよ。
小説は未読だが終盤が「007は二度死ぬ」の原作にかなり近いらしいよ。
ストーリー評価
自分はユーモアとセクシーさに欠けるダニエル版があまり好みでは無く、そもそもダニエル版を007映画として観てないのを前提で書く。
今作でリセットさせる為に無理やり作らされたようなシーンが多く脚本が荒い感じもするが普通に面白い作品ではある、007のいつメンの他にもフェリックス・ライターもちゃっかり出ていたりQの兵器説明、世界各地へ行く等のいつもの要素もしっかりと演出していたので問題ない。
そもそも敵のやってることが女王陛下やムーンレイカーに近かったりでストーリー自体もちらほらと過去作のオマージュが多かったので色んな視点で楽しめた。
キャラクター感想
気になったのだけ
ダニエル版は取っ替え引っ替えが多かった今までよりも1人の愛に飢えてるが死んだ恋人に未練たらたらだったり人間味が特徴で今回も引き継いでる。
何回も言う通りユーモアが少ないがスタイリッシュなカッコ良さは抜群。
フレディの映画で評判良かったラミ・マレックが演じた。
観たら思うと思うがぶっちゃけ彼が演じる必要性は無い
Mrホワイトに家族を殺された過去を持つがそこまでキャラを作ったのにそこからまた掘り下げず、それ以外は能面を被ってるのこえ〜程度なキャラの扱いとなっており登場シーンも少ないので正直期待はずれ。
- ブロフェルド
前作の「スペクター」で投獄され終身刑を受けている。
前作でようやく登場し、今回から昔みたいな感じになるのかな？と期待していたが思った以上に不憫な立ち回りになっていた。不満
- ノーミ(新007)
こいついなくても話は成立したポリコレ枠。
ボンドが引退した後の“007”になったが別にそれだけで劇中でも特に重要な扱いは無く、前半はライバルとして機能していたが後半はただいるだけ感がとてつもなかった。
007の番号を誰よりも主張していたのに後半になるとあっさり捨てる等一貫性もないし。
まぁ、コレに関しては基本的にボンドしかフィールドワークをするキャラがいなく、ボンドガールのマドレーヌも今作では動きづらい立ち位置だったので仕方ない感ある。(ならボンド一人で動けばええやん…)
敵の科学者に「お前らの民族なんて細菌兵器でイチコロじゃ！」(意訳)と言われた瞬間そいつを殺していたのは脚本家なりの皮肉なのだろうか？
キューバでボンドの手伝いをするCIA職員、役者がブレードランナー2049と全然雰囲気が違くてびっくらこいた。
ボンドガールみたいだがお互い口説きもせずに淡々と仕事をしたのでボンドガールと言えないかもしれない。
新人設定で緊張による手の震えや喉の渇きと言った細かい演出が優れていてキャラクター自体も魅力だったのにキューバ離れたら一切出てこなくてかなり不満。そこ別にフェリックスでよくない？
恐らく新007ノーミがいなかったら彼女が最初から最後までいてた気がする。そしてノーミのせいで英米諜報部の不仲設定も不自然に加わった気がする。
まとめ
ファンのために作ったダニエル版の集大成お祭り映画。なので好みによる評価は今までと同じで自分は007としてはあまり好みではない。
キャラクター設定の不満は積もるが映画単体として見ればいつも通りよくできているので問題なし。
オマージュが多かったので有料でいいからアマゾンビデオでさっさとゆっくり見たいぜ
